特殊詐欺グループから違法収益の電子マネーを安く仕入れ転売、マネーロンダリング容疑でIP電話回線業者逮捕

2021年10月21日

2021.09.30のニュース記事

特殊詐欺による違法な収益と知りながら電子マネー利用権を買い取ったとして、神奈川県警捜査2課などは29日、東京都や横浜市などの26~39歳の男5人を組織犯罪処罰法違反(犯罪収益等収受)容疑で逮捕したと発表した。同課は、5人が3年余りの間に、約57億円の電子マネーを特殊詐欺グループなどから額面より安く買い取ったうえで転売し、差額で稼いでいたとみている。

 捜査幹部によると、特殊詐欺では、ウソの電話をかける「かけ子」、被害者宅に現金やキャッシュカードを取りに行く「受け子」などに役割が分かれるが、電子マネーを現金化する「換金役」の摘発は珍しい。

 逮捕されたのは、東京都渋谷区の会社役員(39)、横浜市西区の会社員(28)ら5人。

電子マネー57億円分、特殊詐欺グループから安く仕入れ転売か…男5人を逮捕 – Yahoo!ニュース(読売新聞オンライン)

最近、特殊詐欺を中心に現金ではなく「電子マネー」を騙し取るケースが増加しており、特殊詐欺グループが被害者から騙し取った電子マネーを犯罪収益と知りながら安く買い取って転売していた別のグループが組織犯罪処罰法違反(犯罪収益等収受)容疑で逮捕されたというニュースです。

特殊詐欺グループの一般的役割分担は以下のように「掛け子」「受け子」「出し子」があることが知られていますが、今回の逮捕で新たに電子マネー(Amazonギフト券など)を現金化する「換金役」が存在することがわかったということですかね。

  • 「掛け子」…被害者に詐欺の電話を掛ける役
  • 「受け子」…被害者宅に訪問して現金やキャッシュカードを受け取る役
  • 「出し子」…ATMで現金を引き出す役
  • 「換金役」…電子マネーを買取業者に売り現金化 ←New

また、同時期の他のニュース記事ではこういった電子マネーを詐取する特殊詐欺グループが「マネーロンダリング」をしており組織犯罪処罰法違反(犯罪収益等隠匿)容疑で逮捕、その手法について触れています。

特殊詐欺による収益をマネーロンダリング(資金洗浄)したとして、福岡、秋田など4県警の合同捜査本部は30日、IP電話回線レンタル会社「ボイスオーバー」(東京)の経営者、村松敬泰(38)=神奈川県厚木市妻田南1=と、傘下業者の河野佑太郎(35)=東京都日野市日野台5=の両容疑者を組織犯罪処罰法違反(犯罪収益等隠匿)容疑で逮捕したと発表した。認否は明らかにしていない。

 福岡県警捜査2課によると、ボ社は特殊詐欺用に回線を貸し出す業者で、国内での取扱数が大規模とされる。貸し出した先の特殊詐欺グループによる被害は2013年以降の約8年間で約4600件、計約80億円に上るとみられ、経営実態の解明を進める。

逮捕容疑は、2人は共謀して昨年7月10日、IP回線を貸し出した特殊詐欺グループが青森市の女性(当時56歳)から通販サイトの未納料金名目でだまし取った電子マネー(5万円相当)を現金化するため、買い取り業者に出品し、代金として3万6725円を河野容疑者の口座に振り込ませたとしている。

 河野容疑者の口座に入った犯罪収益はボ社に流れていた。県警は両容疑者が資金洗浄を繰り返し、ボ社の利益を上げていた可能性があるとみている。

資金洗浄容疑でIP電話回線業者逮捕 特殊詐欺被害80億円か – Yahoo!ニュース(毎日新聞)

特殊詐欺グループが犯罪実行に使用していたIP電話回線を貸し出していた業者が実は特殊詐欺グループにIP電話回線を貸し出すための業者(共謀関係)であり、詐欺で得た違法収益を会社資金に投入していたとのこと。

特殊詐欺グループの詐欺とマネーロンダリングのシステム
特殊詐欺グループの電子マネー現金化とマネーロンダリング

特殊詐欺の実行に当たり、IP電話回線業者が実行グループに回線を貸し出し、実行グループは詐取した電子マネーを別の換金グループに安く流す、換金グループは電子マネー買取業者を使って差額で収益を出し現金化、その現金をIP電話回線業者へ資金投入しマネーロンダリング(最終的にIP電話回線業者が特殊詐欺の犯罪収益を使い利益を出す)、という仕組みとなっているようです。