住吉会トップら6億円超支払う 詐欺被害上回る和解金

2021年7月14日

2021.06.19のニュース記事

指定暴力団住吉会のトップらが、傘下の組員が関わった特殊詐欺の被害者らに対し、被害額を約3500万円上回る計約6億5200万円を和解金として支払った。被害者らが暴力団対策法の「代表者責任」に基づき同会トップらに損害賠償を求めた東京高裁での訴訟で、18日付で和解が成立した。

 暴力団側と被害者の和解は初めてとみられる。原告側代理人は今回の和解について(1)早く確実に被害救済できる(2)暴力団の資金源に打撃を与える(3)特殊詐欺の抑止につながる――と評価している。

 訴訟は2016~17年に提起された。一審・東京地裁判決は、組員らが他のメンバーを従わせたのは、暴対法が定める「暴力団の威力を利用した資金を得る行為」にあたると判断。住吉会側に計約6億3千万円の支払いを命じた。暴力団側と被害者の双方が控訴していた。

住吉会トップら6億円超支払う 詐欺被害上回る和解金 – 朝日新聞

指定暴力団「住吉会」が特殊詐欺事件の被害者たちから民事訴訟を起こされており、被害者たちと和解して損害賠償額を上回る和解金を支払ったというニュースです。

暴力団と被害者の和解は初めてであるとのこと。

いわゆる「暴対法」では暴力団員が資金を獲得する際に他人の生命、身体、または財産を侵害した場合は暴力団代表者がその損害賠償責任を負うという条文があります。

(威力利用資金獲得行為に係る損害賠償責任)

第三十一条の二 指定暴力団の代表者等は、当該指定暴力団の指定暴力団員が威力利用資金獲得行為(当該指定暴力団の威力を利用して生計の維持、財産の形成若しくは事業の遂行のための資金を得、又は当該資金を得るために必要な地位を得る行為をいう。以下この条において同じ。)を行うについて他人の生命、身体又は財産を侵害したときは、これによって生じた損害を賠償する責任を負う。

暴力団員による不当な行為の防止等に関する法律 | e-Gov法令検索

組員らが他のメンバーを従わせた、というのはおそらく受け子や出し子がアルバイトや半グレだったケースだと思われます。

詐欺事件は基本的に被害金が戻ってくれば良いわけですから、今後これは特殊詐欺事件における大きな被害回復の手段の一つとなるでしょうね。